こんにちは、正しい転職です。
少し古いですが、H27に厚生省が発表した「平成27年転職者実態調査の概況」についてまとめてみましょう。
お役所の調査なので少し分かりにくいところはありますけど、転職者、転職者を採用する企業の事情がよく分かる貴重な調査となっています。

またこうした調査から分かる内容って案外変わらないものなので、転職活動の際の参考になりますよ。
それではまいりましょう。
(※一部見出しや言い回しに関して、引用元よりも分かりやすい表現に変更している箇所があります。ご了承下さい)

転職者の事情

まずは転職者の事情について見ていきましょう。

転職者の性別の割合

男性:62.4%
女性:37.6%

やはり男性のほうが転職する割合が多いですね。
女性の転職の活性化が今後の課題となるのでしょうか?

転職者のいる事業所の割合

  • 不動産業・物品賃貸業:12.6%
  • サービス業:12.1%
  • 医療、福祉:11.3%
  • 運送業、郵便業:9.9%
  • 生活関連サービス業、娯楽業:9.5%

厚生省独自の分類の仕方で幾分細かく分けられていますが、概ね「サービス業」が高い数値を示しています。
また昨今の、医療、福祉及び運送業の人手不足を反映した数値となっています。

転職者を採用する企業の事情:採用に当たり重視した項目

ここからは「採用に当たり重視した項目」と「業種」を掲載していきます。
これを見ると「業績が伸びている業種」や「単に人手不足の業種」がよく分かってきます。

既存事業の拡大・強化のため

  • 情報通信業(69.9%)
  • 建設業(55.7%)
  • 販売業・小売業(49.3%)
  • 学術研究・専門・技術サービス業(44.6%)
  • 金融業・保険業(42.9%)

新規事業分野への進出のため

  • 情報通信業(14.1%)
  • 鉱業・採石業・砂利採取業(8.6%)
  • 学術研究・専門・技術サービス業(8.4%)
  • 教育・学習支援業(7.9%)
  • 製造業(7.2%)

新技術の導入・開発のため

  • 宿泊業・飲食サービス業(9.0%)
  • 情報通信業(8.1%)
  • 学術研究・専門・技術サービス業(6.2%)
  • 建設業(4.6%)
  • 製造業(4.0%)

人員構成の歪みの是正のため

  • 生活関連サービス業・娯楽業(56.2%)
  • 宿泊業・飲食サービス業(52.0%)
  • 卸売業・小売業(50.3%)
  • 運送業・郵便業(47.8%)
  • 製造業(45.9%)

組織の活性化のため

  • 金融業・保険業(44.8%)
  • 生活関連サービス業・娯楽業(38.4%)
  • 学術研究・専門・技術サービス業(35.5%)
  • 教育・学習支援業(33.8%)
  • 医療・福祉(32.8%)

※各項目で上位5つの各業種を掲載しています。

やはり各業種によって、転職者を採用する事情が違いますね。
転職する際には狙っている業種と、ご自身のキャリアをこれらの調査を重ね合わせて、応募書類の作成や面接の戦略を立ててみるといいと思います。

転職者を採用する企業の事情:転職者の採用理由

管理的な仕事

  • 専門知識・能力があるから:43.0%
  • 経験を活かし即戦力になるから:64.4%
  • 幅広い人脈を期待できるから:14.1%
  • 職場への適応力があるから:25.3%
  • 新卒者の採用が困難なため:4.9%
  • 離職者の補充のため:25.2%
  • 親会社・関連会社からの要請のため:7.9%
  • その他:5.9%

専門的・技術的な仕事

  • 専門知識・能力があるから:55.0%
  • 経験を活かし即戦力になるから:64.8%
  • 幅広い人脈を期待できるから:1.9%
  • 職場への適応力があるから:21.1%
  • 新卒者の採用が困難なため:11.8%
  • 離職者の補充のため:48.4%
  • 親会社・関連会社からの要請のため:1.1%
  • その他:3.8%

事務的な仕事

  • 専門知識・能力があるから:24.3%
  • 経験を活かし即戦力になるから:45.4%
  • 幅広い人脈を期待できるから:1.6%
  • 職場への適応力があるから:29.9%
  • 新卒者の採用が困難なため:4.0%
  • 離職者の補充のため:59.3%
  • 親会社・関連会社からの要請のため:2.1%
  • その他:6.5%

販売の仕事

  • 専門知識・能力があるから:20.1%
  • 経験を活かし即戦力になるから:57.2%
  • 幅広い人脈を期待できるから:7.7%
  • 職場への適応力があるから:31.0%
  • 新卒者の採用が困難なため:17.2%
  • 離職者の補充のため:57.8%
  • 親会社・関連会社からの要請のため:2.4%
  • その他:5.0%

サービスの仕事

  • 専門知識・能力があるから:19.4%
  • 経験を活かし即戦力になるから:47.4%
  • 幅広い人脈を期待できるから:3.5%
  • 職場への適応力があるから:35.1%
  • 新卒者の採用が困難なため:9.1%
  • 離職者の補充のため:62.7%
  • 親会社・関連会社からの要請のため:3.6%
  • その他:5.6%

その他の仕事

  • 専門知識・能力があるから:20.1%
  • 経験を活かし即戦力になるから:48.4%
  • 幅広い人脈を期待できるから:0.9%
  • 職場への適応力があるから:24.3%
  • 新卒者の採用が困難なため:10.3%
  • 離職者の補充のため:63.6%
  • 親会社・関連会社からの要請のため:2.2%
  • その他:8.2%

管理に関する仕事以外はやはり、

  • 専門知識・能力があるから
  • 経験を活かし即戦力になるから

を理由に挙げているところが多いですね。
第二新卒以外は、ある程度の実務経験や戦力が必要となるということです。
もし自分で「経験やスキルが足りない」と感じたら、スクールに通って資格を取得するのもアリかと思いますよ。
(私がそうでしたから。)

転職者を採用する企業の事情:転職者の募集方法

  • 公共職業安定所(ハロワ)等の公的機関:65.7%
  • 民間の職業紹介機関:17.3%
  • 求人情報専門誌、新聞、チラシ等:38.5%
  • 自社のウェブサイト:18.6%
  • スカウト:10.3%
  • 縁故:30.8%
  • 親会社・グループ会社:5.7%
  • 会社説明会:5.2%
  • その他:7.1%

「公共職業安定所(ハロワ)等の公的機関」、及び「縁故」による採用は事業規模が小さいほど割合が大きく、「民間の職業紹介機関」と「自社のウェブサイト」による採用は事業規模が大きいほど割合が多くなっています。

やはり中小企業は人集めに苦労しているのがこのデータからも分かりますね。
「スカウト」の利用も事業規模が大きい企業ほど割合が多くなっているのも印象的でした。

転職者を採用する企業の事情:転職者の待遇の決め方

  • 年齢:46.3%
  • 学歴:12.7%
  • 前職の賃金:26.2%
  • 前職の役職:5.2%
  • 経験・能力等:71.4%
  • 免許・資格:35.9%
  • その他:17.3%

転職者は即戦力として期待されているという結果がこの調査でもよく分かりますね。
逆に「学歴」で待遇決めるってどこの昭和だよ、、と思ったらインフラ系でした。。

以外だったのが「年齢」も結構重視されているということなんですが、ただ年齢とスキルのどっちを重視するかということ、やはりスキルのほうが重視されるのは間違いないので、転職を考えている皆さんは日頃の業務を疎かにせず、スキルと実績を意識して業務に取り巻くべきでしょう。

転職者を採用する企業の事情:転職者を採用する際の課題

  • 採用時の賃金水準や処遇の決め方:39.2%
  • 採用後の処遇やキャリア形成の仕方:16.2%
  • 応募者の能力評価に関する基準がない:34.2%
  • 必要な職種に応募してくる人が少ないこと:64.1%
  • 転職市場に関する情報が少ない:6.1%
  • その他:5.3%

「採用時の賃金水準や処遇の決め方」が一番の課題というのは、それだけ非公開求人情報が増えていくということにもつながるのでしょうね。なぜなら今働いている社員さんのこともあるし、かと言って中途半端な待遇では人が集まらない。
結果的に転職エージェントを利用した非公開求人情報による採用が増えていきそうな気がします。

ここ20年余り日本でも転職が当たり前になってきました。
しかし企業の側も「採用すること」には慣れてきても結局は「採用した後に転職者を活かす」ということには慣れなかった、ということですね。

新卒を育てることは長いノウハウがあっても、転職者はそうでもないと。
ですから転職者の方は、めでたく転職に成功しても会社に寄りかかるのではなく、自分で自分の居場所を作っていくぐらいの気概が必要かもしれません。

転職者を採用する企業の事情:今後3年間で転職者を採用する予定は?

  • 転職者を採用する予定がある:52.6%
  • 転職者を優先して採用したい:33.2%
  • 新卒者を優先して採用したい:12.2%
  • どちらとも言えない:54.7%
  • 転職者を採用する予定はない:11.4%
  • 未定:34.2%
  • 不明:1.9%

「転職者を採用する予定がある」と「転職者を優先して採用したい」を合計すると、約8割以上の企業が「転職者を採用していく」との結果が出ました。しかもこれH27年の調査結果ですから、今はもっと増えていると考えていいでしょう。

特に「情報通信業」では70.5%と突出して高い数値を見せています。
逆にインフラ系は26.7%と低い数値を示しています。

勢いのある産業の違いが一目瞭然ですね。

ただ今後も人手不足が解消されない以上、日本の転職市場はますます拡大していくでしょう。
逆に言うと転職によって、大きなチャンスを得やすい時代になったとも言えます。

是非皆さんも正しい転職を実現して納得のいくポジションや収入を得て下さい。
それではまた。

引用元:

平成27年転職者実態調査の概況|厚生労働省